【日本銀行】決済のイノベーションと中央銀行の役割

―― ステーブルコインが投げかけた問題 ――

1.はじめに
本日は、金融情報システムセンター(FISC)の記念講演会で講演する機会を頂戴し、大変光栄に存じます。FISC は、1984 年の設立以来、わが国における金融情報システムの安全性の向上と、金融サービスの高度化・効率化に多大な貢献を果たしてこられました。その長きに亘る活動に敬意を表しますとともに、この度、35 周年を迎えられましたことを心よりお祝い申し上げます。

さて、本日は、決済のイノベーションと中央銀行の役割について、お話したいと思います。

わが国では、個人間や個人と企業間の決済であるリテール決済において、近年、様々な変化がみられています。例えば、金融機関は、1 年 365 日、1 日 24 時間、夜間や休日を含めいつでも預金口座間の送金を可能とする「24/7 即時送金」サービスを、昨年 10 月から顧客に提供するようになりました。これは、消費者のライフスタイルの多様化や e コマースの普及を背景に、より利便性の高い決済サービスに対する需要に応えたものです。また、消費者や店舗と決済事業者間のインターフェースに着目すると、スマートフォンや IC カードなど、人々が決済サービスを利用できる媒体が大きく拡がっています。このようなキャッシュレス決済サービスの提供においては、金融機関に加え、情報技術などに強みをもつノンバンク企業――いわゆるフィンテック企業――など、多様な主体が関わるようになっています。この点も、近年の決済を巡る大きな変化と言ってよいでしょう。

この間、政府は、今年 10 月に、キャッシュレス対応による生産性向上や消費者の利便性向上の観点などから、キャッシュレス決済手段を使ったポイント還元策を導入しました。日本銀行の各地の支店からも、政府のポイント還元策がキャッシュレス決済の増加につながっているとの報告が複数聞かれています。


原文はこちら
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2019/data/ko191204a1.pdf


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